Setting and Rising
マリヤ・アフティ福井記念公演/養浩館庭園
Marja Ahti — Hamuro mAiR Commemorative Fukui Performance
※本イベントは終了しています。
世界と日常が新しく立ち上がる。
茶の湯伝統と現代和菓子が掛け合い、
名勝庭園屋敷とサウンド・アートが響き合う。
夕暮れのゆったりとした状況の中で、
美しい技巧と新しい感覚への移行を楽しみながら、
「内なる力」と「世界の豊かさ」が新しく結びつく。
そんな契機を生み出す
これまでにない芸術鑑賞イベントSetting and Risingをお楽しみください。
The world and the everyday spring up anew.
The art of traditional tea meets the art of contemporary confectionery,
sukiya-zukuri architecture with a scenic garden and the art of sounds resonate with each other.
The dusking sky,
imbuing a gentle atmosphere,
we enjoy appreciating beautifully crafted arts and feeling an unfurling new sensitivity.
It draws out our inner power and connects us to the richness of the world anew.
Setting and Rising – it’s an unprecedented art event, presenting such potentiality.
日時
2024年9月14日土曜日
16:30 開場
17:00 開演
会場
出演
Marja Ahti(マリヤ・アフティ)
1981年生。フィンランドの古都トゥルクを拠点に国際的に活躍するスウェーデン人作曲家/サウンドアーティスト。フィールドレコーディングの音源とアコースティックな音素材に、シンセサイザーやフィードバックを組み合わせ、音の一つ一つが呼応し始めるような「場」を探求している。ゆっくり変調する「ハーモニー」と変異する「質感」が生み出す「波」に揺れながら、具象と抽象を行き来するアフティの作品群は、荒さ、繊細さといった豊かな表情、異なる音色、そしてタイミングを精緻に組んだものであり、私たち一人一人の「聴く力」を最大限に引き出し、新しい情景をそっと浮かび上がらせる。ハムロ・マイクロ・レジデンシーのレジデンツとして福井初訪問。
松村忠尚+吉川武範
松村忠尚:福井県坂井市在住のサウンドクリエイター。舞台から広告まで幅広い領域で音楽を制作し、奏者としてもプロアマ問わず多くのアーティストと共演している。吉川武範:東洋的考えでドーシャや、身体、空間、さまざまな角度からクリスタルボウルの倍音で体へコンタクト。時には色々な音とセッションし音と音の共鳴の実験もしている。
茶会
- 本公演中に「表千家同門会福井長生会」と「昆布屋孫兵衛」のコラボレーションによる茶会を開催します。
- 事前申込制・先着順(20名限定)となります。
- 料金:2,400円(当日お支払い現金のみ/おつりが出ないようご協力願います)。
- お申し込みいただいた時刻に関わらず、17時までに受け付け・お支払いを完了してください。
表千家同門会福井長生会
昭和23年に福井県における表千家流茶道の普及と伝承を目的として設立され、茶道の精神と技術を次世代に継承している。長年にわたり地域社会と深く結びついた活動を展開しており、永平寺における献茶式をはじめ足羽山でのイベントなど地域の文化発展に大きく貢献している。
昆布智成(昆布屋孫兵衛)
東京「オーボン・ヴュータン」「ピエール・エルメ サロン・ド・テ」、フランス「ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション」など、名だたる洋菓子店で修行を重ね、帰国後は「アングラン」にてシェフパティシエを務める。二〇二三年に帰福後、二四一年の歴史を持つ和菓子店「昆布屋孫兵衛」の十七代目として店舗をリニューアルオープンし、和菓子・洋菓子の垣根なく福井を感じられるお菓子を考案し提供している。
特別展示「松村コレクション」
松村忠祀(1936 - 2018)
坂井市三国町安島大湊神社の宮司を務めながら、福井市美術館初代館長、みくに歴史を生かすまちづくり推進協議会初代理事長、表千家同門会福井吉祥会会長なども歴任し、福井県の文化振興に大きく貢献した。社務所内にギャラリーを設けコミュニティスペースとし、独特の風貌・話法とあたたかい人柄で多くを人々を魅了した。
開催概要
国指定名勝である養浩館庭園は、江戸時代に作庭され昭和初期までの400年間ほど旧越前福井藩主松平家の休養や迎賓を供していた回遊式林泉庭園です。1993年に美しく再築された数寄屋造りの養浩館は細部まで精密に復元されており、池に隣接する座敷からは今でも「代々の藩主と同じ視線の高さ」で水の風景を四季折々楽しむことができます。
街中にありながらも、時忘れの旅に誘う場所。心を解き放ち、想像力を掻き立てるこの「場の力」を借りて、今イベントでは様々なものを交差させ、新しい文脈を織り込み、見慣れた世界と日常を新しく立ち上げる契機を供します。
タイトルのSetting and Risingが示すものは様々な動きと状況。例えば、養浩館から楽しめる夕日や月などの「天体の動き」とそれを見る人の「立ち位置」。もしくはこのイベントの「背景」と「立ち現れ」。そして養浩館の名前にちなむ「浩然の気を養う」といった「力と心の働き」や、私たちを取り巻く状況や情動などにおける「変動性」とも関連しています。
沈み、現れ、高まる動き。それは波のように揺れ続けるサウンド・アーティストのマリヤ・アフティの音の世界/パフォーマンスにも通じています。彼女の作品から溢れ出る感受性/世界観に応え、福井の松村忠尚+吉川武範サウンド・ユニットが即興的に実演を行います(イベント当日はその逆に、松村+吉川ユニットの後にアフティが実演します)。
音響表現による世界の「動き」と時代の「旬」をより鮮明に感じていただけるよう、会場では茶の湯を継承する表千家同門会福井長生会と和菓子の新境地を開拓する昆布屋孫兵衛17代目の昆布智成によるプレミアムなお茶席をお楽しみいただけます。
そして、「アートは『今』という瞬間であり、豊かな未来につながる」という言葉を残された故松村忠祀氏(松村忠尚の父)の思いを繋げるように、このイベントでは松村コレクションから厳選された美術品が室内に設えられます。目利きが愛したモノたちと共に、私たち一人一人が授かり受け継ぐ豊かさと「今、生まれる豊かさ」に思いをはせたいと思います。
「サウンド・アート」――― 解釈の自由度が大きい芸術様式で、楽しむには言葉による説明や理解は不必要、年齢も経験値も不問なので、これまでサウンド・アートを体験をされたことのない方もこの機会に是非お越しください。アーティストを交えてお話しを楽しめる時間も設定しておりますので、皆様のご参加をいただき、このイベントをより味わい深いものにできれば幸いです。
Yokokan Garden, a nationally designated Place of Scenic Beauty, was built in the Edo Period and was used for relaxation and welcoming guests by the Matsudaira family, the feudal lords of Echizen Fukui, for about 400 years until the early Showa Period. The Yokokan Garden, built in the Sukiya style and beautifully rebuilt in 1993, has been meticulously restored down to the fine detail. From the tatami room adjacent to the pond, you can still enjoy the water scenery in all seasons at the same eye level as the successive feudal lords.
Located in the city, it is a place that invites you on a journey of time-forgetfulness. With the help of this "power of place" that frees the mind and stimulates the imagination, this event will intersect various things, weave in new contexts, and provide an opportunity to start anew in the familiar world and everyday life.
The title Setting and Rising refers to various movements and situations. For example, the "movement of celestial bodies" such as the sunset and moon that can be enjoyed from Yokokan and the "standing position" of the person watching them. Or the "background" and "emergence" of this event. It is also related to the “energy and the working of the mind" of "cultivating a spirit of magnanimity" that is the name of Yokokan, and the "variability" of the situations and emotions that surround us.
The movement that immerses, emerges, and rises. This is also connected to the sound world/performance of Mariya Ahti, a sound artist whose sound continues to sway like waves. In response to the sensitivity/worldview that overflows from Ahti’s work, Matsumura Tadanao + Yoshikawa Takenori sound unit from Fukui will perform an improvisational performance (on the day of the event, the opposite will be true, with Ahti performing after the Matsumura + Yoshikawa unit).
The sound-art reflects the "movements" of the world and the "seasonality" of our times, and to enhance their sensation, the venue will host a premium tea ceremony hosted by the Omotesenke Domonkai Fukui Chosei-kai, which continues the traditions of the tea ceremony, and Konbu Tomonari, the 17th generation owner of Konbuya Magobei, who is pioneering new horizons in Japanese sweets.
In order to connect the thoughts of the late Tadanori Matsumura (father of Tadanao Matsumura), who left behind the words, "Art is the moment of 'now' and leads to a rich future," this event will feature artworks carefully selected from the Matsumura Collection. Along with the objects loved by the connoisseur, we would like to reflect on the richness that each of us has been given and inherited, and the "richness that is born now."
"Sound art" is an art form that has a high degree of freedom in interpretation, and does not require verbal explanation or understanding to enjoy it, and it is open to all ages and levels of experience, so even if you have never experienced sound art before, please take this opportunity. There will also be time set aside for conversation with the artists and other guests, so we hope to welcome you and make this event even more enjoyable together.
座席・料金
- 入場時に、養浩館庭園入園料220円をお支払いください(中学生以下、70歳以上、障害者手帳提示者および介護者1名は無料)。
- 公演は入園料のみで鑑賞いただけます。
- 御座敷での鑑賞は事前申込制・先着順(40名限定)となります。
- 終演時に出演者に対する Tipping(寄贈金)を受け付けます。
- このイベントは非営利団体と皆様のご協力で成り立つ文化事業のため、任意の金額で皆様のお心遣いをお願いいたします。
注意事項 ※必ずお読みください
- 開演時刻を過ぎても高い気温が予想されます。養浩館にはエアコンがありませんので熱中症対策をご用意ください。
- 開場から19時までの間は一般の方も入場されます(本イベントの貸し切りではありません)
- 周辺の駐車場には限りがあります。できるだけ公共交通をご利用ください。
- 車椅子ご利用などで補助が必要なかたは事前に福井市文化振興課(0776-20-5367/平日午前8時30分~午後5時15分)までお問い合わせください。
- 養浩館の観賞ルールを厳守願います。